写真として風景を記録しようとするとき、いつもこの空気が映らないのがもどかしいのは私だけだろうか。長方形に切り取られたその平面の中には周りの風景や、自分、自分の後ろ側の景色は映らない。自分の感動は、周りの風景や出来事、風やにおいや音などを感じる五感、シャッターを押す自分の体調や、気分が大きな要素になっているに違いないのに、その風景を記録するのはこの機械では不可能だと感じて仕方がない。もちろんそれは当たり前のことだが、たま〜に少しだけ周りの空気が映っている写真に出会うことがある。あの感覚はなんなんだ。四角にきりとられた印刷画面のなかに入って周りの空気を感じることができそうな写真。